考えるつゆくさ

乳がん治療の記録、子どもの教育や心理などについての考えをつづります

乳がん治療の記録【25】早期がんのパラドックス

入院・手術が近づいてきても、私の中ではまだ「なぜ毎年検診を受けて早期の非浸潤がんで見つかったのに全摘なんだろう」という思いは消えませんでした。

改めて、乳がんについてまとめますと、がんというのは増えることが止まらない細胞です。そしていろんな臓器をだめにしていきます。

そして、乳がんのほとんどは乳管から発生しますが、乳管の中だけで増え続けるぶんにはさほど問題はありません。これが非浸潤がんの状態です。寿命をまっとうされた女性の乳房を調べると、非浸潤がんがあることは少なくないそうです。

だから放っておいてもいいのではないかとも思ってしまいます。しかし、乳管の壁を破ったら、がん細胞が血管やリンパに入り込み、流れ流れて他の臓器や骨などに転移することも可能になります。

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左が乳管の中にがん細胞がとどまっている状態で、右が乳管の壁を破った状態

非浸潤がんが乳管の壁をいつ破るかは誰にも予測できません。20年後かもしれないですが、明日かもしれないのです。だから早めに手術するのがよいのです。

そして、がんが乳管の中だけで増え続けるため、細い通路を進んでいき、結果的にしこりを作るタイプよりもがんのいる範囲が広くなってしまう非浸潤がんは、全摘をしなければならない場合が多くなります。

早期なのに全摘。

ある非浸潤がんの患者さんがブログで“非浸潤がんパラドックス(矛盾)”と表現されていましたが、まさにその通りと思います。