乳がん治療の記録【48】慣れてしまえば
傷口を押さえるために巻いていた胸帯がはずれ、看護師さんに手術の傷口を見せてもらいました。傷口は縫わずに医療用ボンドで貼り付けてあります。だから縫い目はなく、一本筋の傷口です。
左胸がないことに少しぞっとしました。深く考えると哀しくなりそうでした。一方で、私が私であることには変わりないなとも思いました。私ができることも、今までとなんら変わりません。しゃべれるし、食べられるし、音楽も聴けるし、考えられるし、文を書いたり絵を描いたりもできます。
左胸を全摘したからといって化け物になったわけではないですし、化け物と思う友人もいないでしょう。慣れてしまえば慣れてしまえそうな気がしました。
この状況における心持ちは、「負けない!」「がんばろう!」より「まあ、仕方ないよなぁ」「そんなもんだよなぁ」のほうがしっくりきました。