乳がん治療の記録【7】乳がんと言われた日
病院から出ると悲しくなってきて泣きました。歩きながら「何がいけなかったんだろう、あれがいけなかったんだろうか、これのせいだろうか」と原因を考え始めました。
「自分の体にストレスをかけてしまっていたんだろうか」「きっとそうだろう、私はすぐ自分を追いつめる」「自分が悪いと思って、反省ばかりしているから」「呼吸していることにすら罪悪感を抱いてしまうのはなぜ」「自分に優しくしていない、全然していない」と駅のホームでもうなだれていました。
しかしながら「いずれ乳がんになるかも」とうっすらと思ってはいました。なぜなら母も叔母も祖母も乳がんになっているからです。乳がんが遺伝することはよく聞きます。だからこそこまめに検診に行っていたのですが、いざなってみるとちゃんとショックでした。「検診に行ったばかりに見つかってしまった・・・。友だちに検診をすすめるのはやめよう・・・」というおかしな考えもよぎったくらいです。
母に乳がんであったことを告げると予想通り心配してくれるわけもなく、「あたしだって乳がんになった!」「あたしなんて二回もなった!」と言いました。彼女はなぜいつも他人と張り合おうとするのか。私にはわかりません。娘はまだ一回だが自分は二回だとなぜ勝ち誇っているのか。理解に苦しみます。
娘の体を心配してくれる普通の母親が欲しかったと、大人になった今でも思います。そして歳を重ねるごとに哀しくなります。