乳がん治療の記録【42】絶対安静の長い長い夜
手術が終わったのは夕方で、これから絶対安静の夜が始まります。寝返りすらできません。精神的にもつらいけれど、腰も痛くなるし背中も凝るしで身体的にもとてもつらいです。寝たきりの生活というのはこうことなのだなと身をもって知りました。
隣のベッドのMさんの「痛い~」「は~」というつぶやきが断続的に聞こえます。けれど寝息も聞こえます。私は一睡もできませんでした。
2時間おきに看護師さんが様子を見に来て、点滴を変えたりして下さります。忘れずに来て下さるのがありがたいです。点滴は吐き気止め、痛み止め、抗菌剤、栄養剤などを次々としているとのこと。これだけしたらお小水がすごそうですが、カテーテルなるもので自動排出されているらしいです。
ウォークマンでラジオを聴きました。いっぱいつながれている管にイヤホンのコードがからみます。無線にするべきだったか・・・。ラジオを聴きながら、あと何時間で朝になるかを逆算しながら過ごしました。
「まだ9時。あと9時間か・・・」
「深夜ラジオが始まった。0時か・・・」
「そろそろ3時かな。いや、まだ2時だ・・・」
「早朝ラジオが始まった。もうすぐ・・・」
「外はまだ暗い。早く明るくなれ・・・」
動けるってありがたい、寝返りできることすら尊い。そんなあたりまえのことを知った長い長い夜でした。