乳がん治療の記録
病院へ術後一年後検診に行きました。超音波とマンモグラフィでの検査でしたが、問題はなく「ほっ」としました。 そして、また別の日に、病院で同室だったKさんやUさんとも再会し、お茶をしました。みな同じ40代で、なんだか雰囲気も少し似ている気がします。…
退院してから1ヶ月後、傷口がむずむずとかゆくなってきました。鏡で見ると少しかぶれています。傷口は医療用ボンドで貼られているのですが、このボンドは毎日お風呂に入っていてもなかなか取れず、傷口のまわりにはぼそぼそと残り続けています。かぶれはこの…
私はがん保険と疾病保険に入っていましたので、保険会社からお金をいただくためには病院で診断書を作成していただき、それを保険会社にお送りせねばなりません。 診断書作成代は8800円です。2通だと17600円です。結構高い! 病院で診断書の作成を申し込み、…
退院してから2週間後、久しぶりに病院へ。切除した乳房の病理検査の結果を聞きに行きます。 同室のMさんと再会しました。傷口のテープを言われた通りに手術2週間後に私はこわごわとはがした一方で、Mさんは3日後にべりっとはがされたそうです。私が「栄養を…
手術から2週間後、傷口に貼ってあったテープをはがしました。ピリッとはがした瞬間に傷口が裂けないか不安になりました。裂けはしませんでしたが、傷口は赤いみみず腫れのようになっていて、やはり少しえぐいです。 残された右側の乳房をまじまじと見ました…
退院後は、近所の方々が「宅配に来ました~」とアイスやおせんべいを持って来て下さったり、友人たちからもゼリーやクッキー、はちみつのお見舞いが届いたりしました。部屋の中はお菓子屋さんのようになりました。マスクやタオル、クリスマスオーナメントやD…
退院後にはリハビリ体操をするように病院で言われました。腕を上げたり、ひじを引いたりしながら、手術の傷口付近のツッパリ感を和らげる体操です。 毎日数回、こまめにするのがいいのですが、こまめにできないのが人間です。 入院中はフルーツサンドやクレ…
入院5日目(手術して3日後)の朝、同室のMさんと病室を出て、受付で預り金からのおつりを受け取り、退院をしました。 タクシーで帰宅して、シャワーに入って、洗濯をして・・・などをしてたらへとへとになりました。もう痛み止めの薬を飲まなくても痛くあり…
傷口を押さえるために巻いていた胸帯がはずれ、看護師さんに手術の傷口を見せてもらいました。傷口は縫わずに医療用ボンドで貼り付けてあります。だから縫い目はなく、一本筋の傷口です。 左胸がないことに少しぞっとしました。深く考えると哀しくなりそうで…
入院4日目(手術後の翌々日)、ドレーン(手術したところにさされた血液やリンパ液などを排出する管)がとれて、自分を拘束するものがリストバンドだけとなりました。ドレーンがとれたので、明日の退院が決まりました。 二日ぶりにシャワーも浴びました。傷…
手術した日の夜は一睡もできませんでしたが、その翌日の夜は就寝9時になると脳が「さすがにもう寝てくれ」と言っているようで、貪るように入眠できました。 「お父さん!」 自分の怒声に目が覚めました。やってしまった・・・。夜中の3時です。恐れていたこ…
午後、別室に行き、退院後の生活についての説明を受けました。昨日の今頃は体の一部を切り取る手術をしていたというのに、すでにもう立ったり歩いたりしゃべったりして普通に過ごせるなんて、よく考えたらすごいことだなぁと思いました。痛み止めの飲み薬の…
手術は室温の低い部屋で行われているそうです。患者は裸なので、どうしても体は冷えてしまいます。特に足や手などの末梢は冷たくなりやすいです。本来なら体が冷えると自身の体温調節機能が働きますが、全身麻酔によりその機能は停止中。 なので手術が終わる…
早朝、まだ暗かったのですが、懐中電灯を持った看護師さんが来て下さり、カテーテルがはずれました。私をベッドに拘束するものがやっととれました。 看護師さんに支えられながら、ゆっくりと起き上がりました。18時間ぶりに立ちます。余裕で立てました。朝は…
手術が終わったのは夕方で、これから絶対安静の夜が始まります。寝返りすらできません。精神的にもつらいけれど、腰も痛くなるし背中も凝るしで身体的にもとてもつらいです。寝たきりの生活というのはこうことなのだなと身をもって知りました。 隣のベッドの…
手術後のシバリング(全身の震え)もおさまってきたものの、心はパニックのままでした。 そうだ、私はもともとメンタルが弱かった・・・。いくつもの管でつながれてベッドに拘束されていることにも不安を感じ始めました。 火事や地震やテロが起きたらどうし…
乳がんの全摘手術の麻酔から覚めて最初に感じたことは「気持ち悪い」でした。そして見えたものは、乗せられたストレッチャーから見上げた先生方のお顔でした。 「気持ち悪い・・・」としぼりだすように言いました。ストレッチャーで右に左に走らされるとさら…
同室のMさんが私よりも先に手術です。Mさんは昨日も今朝もとてものんびり構えていらしたのに、手術に呼ばれる5分前になって急に「どうしよう!緊張してきちゃった!」とあわて出したのがちょっと可笑しかったです。「がんばって!」とお見送りしました。 知…
今日は手術です。さようなら、左胸。寂しいです。44年間いっしょに生きてきたので。でもここにがんがあるのはもっと嫌です。 500mlのペットボトルの経口補水液を2本渡されました。今日の食事はこれのみです。 同室の4人と病室の中心に集まっておしゃべりしま…
Kさんが手術を終えて戻って来ました。数時間前まで明るくしゃべっていたのに、意識朦朧としてベッドに横たわってぐったりしていました。 のどが渇いていないかな、気持ち悪くないかな、痛くないかな、と心配になりました。全摘をした胸を見たらどう思うかな…
同室のKさんが手術へ行かれます。看護師さんといっしょに徒歩で向かいます。医療系ドラマでよく見るようなストレッチャーで運ばれるかんじではないようです。「がんばって!」とKさんのお見送りをしました。 核医学検査室にまた行き、大きな機械の下に横たわ…
同じ明日手術のMさんとセンチネルパネル生検(リンパ節に転移があるかどうかを調べる検査)のための注射を受けに、核医学検査室なるかっこいい名前の検査室へ行きました。 この注射の薬は微量の放射線を発する物質で、それらが目的地であるリンパ節に3時間後…
同室の向かいのベッドのKさんとご挨拶をしました。少し年上の同じ40代で、数時間後にもう手術なのだそうです。 「怖くないですか」と聞いたら、「うーん、そうでもないんだよねー」とおっしゃいました。「乳がんと知った時、ショックじゃなかったですか」と…
入院の日の朝。不安で一睡もできないまま病院へ。受付で10万円の預り金を払いました。退院時、ここから入院・手術費を引いたおつりが戻ってくるというシステムになっています。そして教えられた番号の病室へ。 病室には4つのベッドがありました。そのうち2つ…
友人や知人の励ましやお祈りは心をあたたかくしてくれました。神社にお参りしてくれたり、招き猫を奉納してくださったり、体にいい食べ物やDVDなんかを送ってくれたり、ありがたいです。「大丈夫」「あなたは強い人」「待ってるよ」という希望の言葉も、力が…
治療、入院や手術には、たくさんの書類にサインをするものなんだと知りました。 検査結果ごとに「説明を受けました」のサイン、治療の計画書に「承知しました」のサイン、入院証書に「入院します」のサイン、手術同意書に「同意しました」のサイン。 他にも…
退院の時には身のまわりのことは自分でだいたいできる状態だそうです。 だいたいとは・・・? 重い荷物を持ったり、重いフライパンを振ったりするのはよくないとは聞きました。買物や調理がどの程度できるのかよくわからないので、念のため、レトルトやイン…
入院の経験者は友人知人にも多く、「消灯が10時だから体を慣らしておいたほうがいいよ」とか「キンドルがあると便利だよ」とか「ぬり絵は意外と騒音」「私はイラストロジックをしてた」などいろいろ教えてもらいました。 持ちものリストをメモしておきたいと…
入院の10日前に“オペオリ”(オペのオリエンテーション)なるものをします。“非浸潤がんにより左胸を全摘する手術をする”ということを先生と再確認し、手術の方法についても図にしながら教えてもらいます。 「こんなふうに乳頭をくり抜いて、そこから乳房の中…
お医者さんをしている友人に、手術の前後を“周術期”と呼ぶことと、周術期は特別に心穏やかにして、食事も睡眠もしっかりとって体調をととのえることが大事と教えてもらいました。 にもかかわらず、私はうつっぽくなっていました。「どの死に方が一番いいかな…