乳がん治療の記録【35】生検のための痛い注射
同じ明日手術のMさんとセンチネルパネル生検(リンパ節に転移があるかどうかを調べる検査)のための注射を受けに、核医学検査室なるかっこいい名前の検査室へ行きました。
この注射の薬は微量の放射線を発する物質で、それらが目的地であるリンパ節に3時間後くらいに流れ着くのだそうです。その時にまたこの検査室に来て、放射線をとらえるカメラで撮影をし、薬の位置、すなわちリンパ節の位置を特定するとのこと。“核医学検査”とはその薬を使った検査のことをさすようです。
しかし、その注射が非常に痛いと聞いています。乳輪に痛み止めの絆創膏を貼り、そこにさすらしいのですが、2、3秒とは言え、怖くて怖くてたまりません。でもMさんといっしょだから怖さは半減。さらに同じく明日手術の隣室のSさんという方も合流されたので3分の1です。
Mさんが「私が最初に行く!」と勇ましく検査室へ行かれました。Sさんと二人で廊下の椅子で待っていると、ほどなくして「痛ぁぁぁぁぁい!」という叫びが廊下に響きました。私たちは顔面蒼白となりました。
戻って来られるとMさんは涙目になりながらも「痛くないよ、全然痛くないよ、大丈夫だよ・・・」と優しい嘘をついて下さりました。「いや、叫び声がよく聞こえましたよ・・・」。
次は私です。「怖い怖い怖い」と看護師さんの手を握りながら目をつむりました。
全然痛くありませんでした。注射をしてくれた先生もめずらしがっていました。痛み止めが効きやすい体質だからかな。
Sさんも「叫ぶほどではなかったです」と涼しいお顔で戻って来られました。しかしMさんは「出産の時より痛かった」とおっしゃっていました。同室のKさんも「すごく痛かった」と。どうやら個人差があるようです。
それにしても、「怖いよ~」「痛いかな~」などとワーキャー言いながら注射に行くなんて、学生時代みたいで楽しかったです。