乳がん治療の記録【3】マンモトーム生検を受ける
生検の日の待合室では逃げ出したい気分でした。乳房に太めの針をさして中身を吸い取るなんて、どう考えても怖いし痛そうです。
私は何かあるとすぐに不安に押しつぶされそうになります。母親に「どうせできっこない!」「うまくいくわけがない!」とネガティブなことしか言われないで育てられたせいかと思っています。待合室で過呼吸になって倒れそうです。
深呼吸をしながら、ポジティブのかたまり、アンミカさんが耳元で声をかけてくれる妄想をしました。「ええやん、ええやん、これも経験やん。検査してもらって本当のことがわかったら一番ええやん」。
少し力が湧いてきました。ポジティブな声かけは人の心を強くする魔法です。そういう考えが自然とできるような育てられ方を初めからさせてもらえたらよかったです。
名前を呼ばれました。アンミカさんに背中を押されながら私は検査室へ向かいます。
今回の生検は“マンモトーム生検”という名称で、マンモグラフィーの検査の時のように乳房を板ではさんで、レントゲンを使いながら行われます。
前開きの検査着に着替え、横向きに寝ます。そしてレントゲンを見ながら、がんのいそうな石灰化のある付近を狙って針をさし、組織を吸い取ります。
麻酔の注射は痛くはありませんでした(痛いと感じる人もおられるようです)。吸い取る時も、麻酔が効いているので何も感じませんでした。技師さんや看護師さんたちはてきぱきと作業されます。こまめに「気分悪くないですか?」「順調に行ってますよ」と話してくださるのがありがたいです。あるとなしでは安心感が全然違います。
20分くらいで終わりましたが、「寒いですか?」と聞かれるくらい足が震えていました。アンミカさんのポジティブさをもってしても、やはり怖かったようです。